2019/10/16

イタリアのファッン系の仕事で成功を収め、
2001年にスタートした、
アルメニア人・ゾリック・ガリビアン氏のワインナリー、
「ゾラ・ワインズ」を訪問しました。
左下のぶどうの木は、標高1400mと醸造所の前にある「アレニ・ノワール」。
土壌は、ライムストーン(石灰質)です。
右下の写真は、標高1700mの自根の「アレニ・ノワール」です。
フィロキセラ被害を受けていない樹齢80年以上の地ブドウです。
この木をカットして、自社畑に植えています。
標高1700mの畑に行くには、
ワインナリーから、四駆の車に乗り換えて
山道を30分走らなければなりません。
山の中に、10haの野生の「アレニ・ノワール」があり
急な坂に自生している樹、岩から生えている樹・・・
収穫がとても大変で、
「みんな1年目はきてくれるけど、翌年からこなくなるね」
という言葉が印象的でした。
畑を見に行くのも、客人が来た時と、収穫時だけで、
後は、自然の力に任せています。
この山のブドウは、2013年ヴィンテージから
「イェラズ」という名前でリリースされてます。
定価は、17000円です。

蔵の中では、収穫したての白ブドウの発酵が始まっていました。
「カラシ」と呼ばれる、アンフォラの中には
白ブドウの皮と種、ジュースが入っています。
白ワインは、ヴォスキアット、ガランドゥマックをブレンドした1種類ですが、
実験的に、何種類かの白ワインも作られていました。
アンフォラは、古い程良いそうで、
アルメニア古民家に飾ってある
アンフォラを購入したりしています。
ゾラには1957年の物がありました。
アンフォラは大きいので、
民家の壁を壊して、アンフォラを持ち出します。
そして、新しい壁を作る。
アンフォラ代金+修繕費がかかるのです。
アンフォラの焼き温度は、国によって違います。
アルメニアの物は、700〜750度で焼かれていて、
中のコーティングはされていません。
そして、ジョージアの場合は、アンフォラが砂に埋められていますが、
アルメニアは1/3が上に出ていて、
2/3が埋められていました。

青空の元で試飲の時間です。
4種類のヴァンテージ違いの白ワイン、
1種類の「ゾラ・ヘリージプロジェクト」
チラという品種で、800本だけ作られてものです。
8種類のヴァンテージ違いの赤ワイン、
7種類のアルメニアワイン
・・・アルメニアのワインショップで選んだものです。
アルメニアワインの現状を知る為、様々の生産者の物を頂きました。
醸造コンサルタント、ポール・ホブスのワインが力強い味わいで印象的でした。
「ゾラ・ヘリージプロジェクト」のタンクからも
数種類のワインを試飲しました。
ゾラワインズのワインは、
エレガントでクリーンで
白ワインも、赤ワインも美しい酸が印象的で、
赤ワインのタンニンは、きめ細やかでした。

左上の写真の、ガラスケースの入っている赤ワインは、
アルメニア人の聖地、
ノアの箱船が着いたと云われている
標高5100mの「アララート山」で開けられたものです。
ゾリック・ガリビアン氏は「アララート山」にも、
「アレニ・ノワール」の樹を1本植えられています。
「アララート山」は現在はトルコ領で、
アルメニアから直ぐ行けるのに、
トルコとの国交がないので、
隣国を経由して、17時間かけて車で行ったそうです。

アルメニアワイン、ラタフィアでもお出しする予定です。
★ラタフィア
〒810-0022
中央区薬院2丁目4-39
電話番号 092-732-9702
営業時間 19時〜24時
定休日 火曜日
*現在は帰国して「ラタフィア」にて勤務しております。